法の網を潜って・・・

前回、最後の文で取り上げたメジャーリーガー野茂英雄投手がロイヤルズから戦力外通達を受けまたジプシーになってしまったのは残念で仕方ないが個人的には、まだ踏ん張って燃え尽きて欲しいと願う。
そこで、いつもの事だが日本では当時の近鉄任意引退で渡米した野茂投手の保有権をオリックスが持っていて日本球界復帰の噂ばかりが先行する話だが、任意引退の事をどれだけ認識されているか考えた。
一昔の話になってしまうが、96年オフに当時ロッテにいた伊良部秀輝投手は大リーグ・ヤンキースへのトレードを望み世間を騒がせたのだが、ここでFA権を持っていない選手だったので、ロッテがそれこそ任意引退選手としての保有権を振りかざしパドレスへのトレード、そしてパドレスヤンキースへの日本からの三角トライアングルトレードとして大騒動に話題になった。さらに、これがきっかけで現在のポスティングシステムに発展して行った出来事だった・・・。メジャーでは、いったん他球団に入りすぐさまに補強選手等で人的友好トレードがあったりしてはいるが、伊良部選手の様な目標入りまでこじれたケースは例外であった。
任意引退選手の保有権とは、当確選手にとって半分他球団へ万が一の行かせない、いじめの感覚が残り、半分は現役復帰の道を消してしまう事とも言えよう。自由契約選手としてそのままいったん日米プロ野球界から離れ社会人や独立リーグから球界復帰を目指す選手も年々増え始めている現状を考えると、もし球団の手続き上の問題や金や育成に勢力を注ぎ愛情の裏返しであるとしたら問題でもある。が、逆に編成上の問題で一回任意引退をさせて時が来たら再契約の形を取る方法も法の網をくぐり抜けると言うやり方も若い選手達には考えられなくなくもない話にまで発展しそうだ。まずは、復帰の予定がない前提での任意引退であるからこじれない様に契約問題は慎重に願いたいものだ。
任意引退選手 1、自らの意志で契約を更新しない、または契約を解除する等により、現役を引退するもの。2、最後に所属した球団に所有・保有権がある 3、所有権を持つ球団へ復帰することが原則(他球団への移籍には所有権を持つ球団の了解が必要)
自由契約選手 1、球団が選手との契約を無条件に解除するもの 2、所有権は球団側に権利なし 3、制限なしの、どの球団と契約するのも自由 以上。